第41回IMO問題

(財)数学オリンピック財団

〒160−0022 東京都新宿区新宿6−27−49 協栄生命ビル6F

TEL 03-5272-9790(通常は月水金の午後)

FAX 03-5272-9791


第41回国際数学オリンピック 韓国大会の問題

問題の無断転載を禁ずる.


日本語版

第一日

韓国:大田(Taejon), 2000年7月19日

解答時間 : 4時間30分

各問 7点

問題 1.

2つの円Γ、Γがあり,2点M、Nで交わっている.直線LはΓとΓの共通接線であり,点Mは点Nより直線Lに近い側にある.直線LはΓと点Aで接し,Γと点Bで接する.点Mを通りLに平行な直線と,Γとの交点をC,Γとの交点をDとする.ただし,C、DはMと異なる点である.

 

直線CAとDBの交点をE,直線ANとCDの交点をP,直線BNとCDの交点をQとする.EP=EQを示せ.

 

問題 2.

a, b, c をabc=1 を満たす正の実数とする.次の不等式を示せ.

( a - 1 + 1/b) ( b - 1 + 1/c) (c - 1 + 1/a) ≦1

 

問題 3.

nを2以上の正整数とする.初期配置において,左右に延びた直線上にn匹の蚤(ノミ)がいる.ただし,n匹全部が同じ点にいるわけではない.

 

正の実数λに対して, 操作 を次のように定義する:

異なる2点にいる2匹の蚤を選び,左側の蚤がいる点をA,右側の蚤がいる点をBとする;

 

Aにいる蚤を,Bの右側にありBC/AB=λを満たす直線上の点 C にジャンプさせる.

 

次の条件を満たすλの値を全て決定せよ:

「直線上の任意の点Mとn匹の蚤の任意の初期配置に対して,有限回の操作により全ての蚤がMの右側に来るように出来る.」


第二日大田(Taejon), 2000年7月20日

解答時間 : 4時間30分各問 7点

 

問題 4.

手品師が1から100までの数字が書かれた100枚のカードを持っている.手品師はその100枚のカード全てを3つの箱(赤い箱,白い箱,青い箱)に入れて,それぞれの箱に少なくとも1枚以上のカードが入っているようにする.

 

ある観客が,異なる2つの箱からカードを1枚ずつ取り出して,カードに書かれている数字の合計を手品師に教える.教えられた値をもとに,手品師はカードが引かれなかった箱の色を当てる.

 

このようなトリックが成立するようなカードの入れ方は何通りあるか.

 

(少なくとも1枚のカードが別の箱に入っているとき,異なる入れ方だと数える.)

 

問題 5.

次の条件を満たす正整数nは存在するか.

 

nを割り切る相異なる素数はちょうど2000 個ある.

n + 1 はnで割り切れる.

 

 

問題 6.

鋭角三角形 ABC の各頂点 A, B, C から対辺に下ろした垂線と対辺との交点をそれぞれH1, H2, H3とする.三角形ABC の内接円は辺 BC, CA, AB とそれぞれ点 T1, T2, T3 で接する.直線T2T3に対して直線H2H3と対称な直線をL1, 直線TTに対して直線HHと対称な直線をL, 直線TTに対して直線HHと対称な直線をL とする.

 

, L, Lによって作られる三角形の全ての頂点は,三角形 ABCの内接円の周上にあることを示せ.


(注)原文では、問1、問6の「直線L」は行書・斜体の「l」である。


Copyright© 2000 by Mathematical Olympiad Foundation of Japan.

著作権は数学オリンピック財団に帰属します.


HomePageに戻る