公益財団法人  数学オリンピック財団



第44回2003年 国際数学オリンピック(IMO)日本大会


◆参加報告

「第44回国際数学オリンピック(IMO)」は7月7日から19日までの間、東京代々木の「国立オリンピック記念青少年総合センター」で行われた。
今年は日本がIMOに初参加した1990年の北京大会から数えて13年目に当たる。この永く続く不況の中で、 当財団も経済的に厳しいものがあったが、幸いにも富士通株式会社をはじめとする多くの個人・法人からのご支援・ ご寄付によりIMO日本大会を成功裡に開催することが出来た。 アジアの多くの国々はもとより、ほとんどの国がIMOを国の援助で実施している中、わが国では当財団の様な小さな民間団体の主催のため、 多くのボランティアの方々のご協力による手作りの大会となったことがむしろ参加国からの評価を高める結果となった。 日本代表選手たちも大いに実力を発揮し、国際順位9位と近年まれに見る好成績を修めることができた。

日本選手の成績は下記の通りです。
参加国は82ヶ国、参加選手は457人、日本の国際順位は9位でありました。
(参加者の写真はこちら)
(詳しい国際順位はこちら)<br>
メダル 氏名 所属校 学年
金 西本 将樹 灘高等学校 高2
銀 大島 芳樹 筑波大学付属駒場高等学校 高3
銀 尾高 悠志 筑波大学附属駒場高校 高3
銀 入江 慶 筑波大学付属駒場高等学校 高2
銅 足立 潤 栄光学園高等学校 高3
銅 長坂 友裕 県立岡崎高等学校 高3


◆選手達の声

西本 将樹

 今回は国内での開催という事で長距離の移動や時差もなく、体調も良いままコンテストに臨むことができました。 コンテストの結果は、本当に運良く、しかも丁度ボーダーで金メダルを取ることが出来ました。大変嬉しく思います。 国際交流は今年も大変有意義なものでした。 日本大会ということで、日本のことについて聞かれるなど、話しかけてもらえる機会も多かったです。 色々な地域の国の人と交流することが出来たし、国民性といったものも垣間見ることが出来た気がします。 毎日毎日夜遅くまで遊んで、本当に楽しかったです。
 IMOは本当に色々な意味でいい大会だと思います。 この大会が日本で開催できたのは、野口理事長を中心とする財団の方々や、ガイドの方々、コーディネータの方々など本当に多くの人の協力のお陰だと思います。 皆さん本当に有難うございました。

大島 芳樹

 早いものでIMOに参加するのも最後になりました。 今年は日本で開催され海外旅行ができないという面では残念でしたが、その分他の国の選手との交流は多かったと思います。 大会の日程は自由な時間と観光の時間とのバランスがよく、また移動に時間をとられたりすることもなく充実したものでした。 観光の日は日本人はどうしようかと思ってましたが、アルゼンチンやフィンランドの選手たちと一緒に行動して有意義に過ごしました。
 大江戸めぐりやオリンピックセンター内で過ごす国際交流日など、日本の文化に親しめるようなイベントも多く、ほとんどの人が日本に興味を持ったようでした。 僕が日本人だとわかるとたいてい日本の感想を興奮気味に話しかけてくるのが印象的でした。
 また以前外国で知り合ったコンテスタントの人が、今回もコンテスタントとして来ていたり、ガイドとして参加していたり、また観光で日本に来たりしていて、 顔を見ると皆お互いのことをよく覚えていて、彼らと再会できたことも大きな喜びでした。
 このような素晴らしい大会に何度も参加できたことはとてもよい経験になりました。 野口先生をはじめ財団の方々、大会のために力を尽くしてくださった方々、どうもありがとうございました。

尾高 悠志

 まず、コンテストについて。 国際数学オリンピックは今回が最後なので、金を取り、国際順位も大いにあがればよいなと思っていた。 後者はそれなり(始まる前皆で、中国に勝つとか、金6人とか言っていたので「それなり」)に達成されたと思うが、やはり個人的な悔しさは残る。
 今回の大会では少なくとも去年よりも国際交流が盛んだったし、ディズニーランドとかも楽しくかった。 アルゼンチンとの交流でザ・ラテンスピリット(?)を教わった事が印象に残っている、夜中に広場での本当にいろいろな人との団欒も感慨深かった。 その点ではいい終わり方だった。
 この3年間を通して「数学オリンピック」という、名前の上では数学の試験としか見られないが実際は表現しきれないような多彩な価値を持つ、 偉大なお祭りが僕に与えてくれたものは、多くの素晴らしい仲間であり、刺激であり、交流や観光を通して世界を知るようなことであり、 当然、数学の勉強においての目標であった。世界が広がった!!
 最後になりましたが、この日本大会を運営されました多くの方に本当に感謝します。

入江 慶

 各国の選手が一堂に会する興奮の開会式によってIMOは幕を開けた。 試験一日目は少し不調だったが二日目は好調で、4時間半、わくわくした時間を過ごせた。 今年の試験はやや技術的な変な問題もあったが、概ね数学的な美しさ、楽しさを味わえるいい6問だったと思う。 今回は地元、日本での開催だったが、外国の選手から日本のこと(文化、国土、etc.)や宿泊施設について尋ねられることが多く、 交流の面で大きなプラスになったと思う。 特に、イランチームとサッカーをしたり、フィンランドチームと観光をしたりしたのはいい経験だった。 英語での交流は不安だったが、実際にはジェスチャーを交えながら色々と話すことができた。
 結果は銀メダルで満足のいくものだったが、来年もし参加できたら、金を目指したいと思う。 最後に、IMOという夢のような8日間をありがとうございました。

足立 潤

 今回が最初で最後のIMO参加ということで、かなり緊張しました。 試験前日は緊張してほとんど眠ることができませんでしたし、試験本番は緊張とあせりから全然問題が解けず(実力が無かったことが最大の原因なのですが)悲惨な結果となってしまいました。 しかし、団長の河村さんと副団長の條さんのおかげで大量の部分点を取ることができ、なんとか銅を取ることができました。
 観光は、東京観光とディズニーランドでしたが、あまり東京には行ったことがなかったし、アルゼンチン代表やフィンランド代表と一緒に観光することができたのでかなり楽しめました。 あと一つ感じたのは、どの国の人もサッカーが異様に強いことでした。 また、国際交流に関しては、外国の選手と会話するときに積極性を欠いてしまい、殆ど相手がしゃべっている状態だったのが残念でしたが、色々な国の選手と話すことができ、良い経験になりました。
 最後になりますが、このようなすばらしい経験をする機会を下さった数学オリンピック財団の方々、そして団長、副団長、コーディネータの方々、 どうもありがとうございました。

長坂 友裕

 一度に様々な国の人に会うということは、普通の旅行では得がたい経験です。 世界中の人々が集まるような場所に行けたことだけでも幸運なことだと思います。 予選も本選も(いつものことながら)終わってからミスに気づき、「また落ちたようだ」と考えていたのですが、今回やっとIMOに参加させていただきました。
 日本大会ということで、IMO開催のための努力を少し見ることが出来たのは素晴らしい事です。
 今大会では、ベトナムの選手が二人満点を取ったことにも驚いたのですが、フィンランド人で、箸の使い方は知っているし、 折り紙で菊を作り、歴史資料館で、「将軍と天皇はどう違うの?」「幕府ってなに?」等々質問攻めに会いました。 これほど難しい試験を受けたのも、日本語を話さない外国人と会話をしたのも初めてで、今回は本当によい経験になりました。 野口先生をはじめ、IMO日本大会開催にご尽力された方々に感謝いたします。どうもありがとうございました。


◆国際順位
順位 国
1 ブルガリア
2 中国
3 アメリカ
4 ベトナム
5 ロシア
6 韓国
7 ルーマニア
8 トルコ
9 日本
10 ハンガリー
11 英国
12 カナダ、カザフスタン
14 ウクライナ
15 インド
16 台湾
17 ドイツ、イラン
19 ベラルーシ、イスラエル

詳しい Data は、下記 Web Site を参照下さい。

http://www.imo2003.com


◆参加者の写真

皇太子殿下 遠山文部科学大臣の挨拶
金メダル受賞者たち IMO旗と日本代表選手
日本代表選手 晩餐会にて